ジャッキーさんこと古南文秀さんとのお付き合いは、数えてみるとなんともう35 年にもなります。もしかしたら身内や親戚以外では1 番長いかもしれません。小さい頃から音楽が大好きだった僕の家にピアノがやってきたのは小学校1 年生の時のこと。楽しみで楽しみで、学校から走って帰ったことをよく覚えています。その時に調律師さんとしてやってきたのが古南さんでした。確かまだ調律師さんになりたてくらいの頃じゃなかったかな。まだ子供の僕に調律の良し悪しなど分かるはずもないですが、少し年上のお兄さんのような感じでなれなれしく接していたと思います。その頃は調律師さんもみんなピアノがバリバリ弾けるものだと思い込んでいて、「カンパネラ弾いて」と言って困らせてしまったこともありました。
そんな古南さんは、今では僕の演奏活動になくてはならない存在となっています。小さい頃から今に至るまでの僕の変遷をすべて知っている古南さんは、何も言わなくても僕が求める音を作ってくださいます。仕事でお願いしているというよりも一緒に好きなことに打ち込んでいるような感覚ですね。好奇心が人一倍どころか二倍も三倍も強い古南さんはどんどん新しい情報を仕入れて調律技術をアップデートされていて、新たに知った技術や考え方などを嬉々として語っている姿は、まるで新しいおもちゃを手に入れた子供のようです。
そんな古南さんの興味はピアノだけに留まることなく、あらゆるジャンルの音楽を聴き、ギターや打楽器を演奏もし、最近ではコンサートプロデュースまで始めたようです。その全てを本当に楽しそうに、学生のバンド活動のようなノリでやってらっしゃる古南さんの生き方、ステキです!
ー 2021夏 ー